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新築のテレビアンテナはどう選ぶ?アンテナの種類や特徴を詳しく解説

新築の戸建て住宅を購入したときに、忘れずに手続きしたいのがテレビアンテナの設置です。地上デジタル放送の視聴はデータ受信が不可欠なため、受信手続きが完了しないとテレビを視聴できません。
地上デジタル放送の受信方法を決めたら、それぞれに合わせて申し込みましょう。今回は新築住宅に入居する際に覚えておきたい、テレビアンテナの設置について詳しく解説します。
目次
新築のテレビアンテナは地デジの視聴方法で変わる!
地上デジタル放送とは、従来のアナログ放送よりも雑音などが少なく、高品質な映像や音声を受信できる放送システムのこと。日本では2003年からの移行期間を経て、2011年に完全移行が完了しました。
地上デジタル放送電波塔からのデータ受信には、以下の3つの方法があります。
- アンテナを設置する
- 光回線のオプションプランに申し込む
- ケーブルテレビを契約する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
アンテナを設置して受信する場合
最も一般的なのが、アンテナを設置する方法です。住宅の屋根に専用のテレビアンテナを取り付け、データ放送を受信します。アンテナの見た目が気になる方に向け、最近ではデザイン性に配慮したデザインアンテナも人気です。
光回線のオプションプランに申し込む場合
インターネットの光回線を契約する場合に、オプションでテレビの地デジ視聴を申し込めるプランもあります。インターネット回線を利用するため、アンテナを設置する必要がなく天候による受信状況の影響も受けません。アンテナ設置費用が不要になる代わりに、毎月の利用料がかかることや、エリアによって対応範囲外になる点に注意が必要です。
ケーブルテレビを契約する
ケーブルテレビとは、電波を受信する方法ではなく、家庭ごとに繋いだ有線(ケーブル)を通してデータを受信する方法のこと。ケーブルテレビは地上デジタル放送の受信だけでなく、地域密着型のメディアとして、地域のイベントや防災情報をはじめ、生活に役立つ情報を発信しています。
地デジ視聴をメインに考えると月額利用料はやや割高ですが、地域密着型の充実したコンテンツを得たい方におすすめの方法です。
新築に「テレビアンテナはいらない」といわれるのはなぜ?
新築住宅のテレビアンテナについては、「テレビアンテナはいらない」という意見もあります。理由は、アンテナを設置しなくても光回線のオプション申し込みやケーブルテレビの契約をすれば、テレビを視聴できるためです。
アンテナがなくても地デジの視聴は可能ですが、光回線はサービス対応外のエリアもあり、ケーブルテレビは月々の利用料が発生します。
「テレビアンテナはいらない」という意見も参考にしつつ、自分たちにとって本当に不要かどうかを考えてアンテナ設置を決めましょう。
新築で選べるテレビアンテナは4種類
新築にテレビアンテナを設置する場合は、次の4種類のアンテナが選べます。
- 八木式アンテナ
- デザインアンテナ
- ユニコーンアンテナ
- 室内アンテナ
それぞれの特徴やおすすめのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
八木式アンテナ
一般的な住宅でよく見かけるのが、魚の骨のような形をした八木式アンテナです。屋根の上に取り付ける八木式アンテナは他のアンテナと比べても受信性能が高く、設置コストも比較的抑えられます。
一方で、八木式アンテナは強風や大雪などの影響で向きが変わりやすく、倒壊にも注意しなくてはなりません。また独特な形状から、鳩などの野鳥が羽を休める場所として使用することもあります。野鳥が集まるとフン害などの影響も懸念されるため、気になる場合は止まりにくいデザインアンテナを検討しましょう。
デザインアンテナ
デザインアンテナは壁面に取り付ける平面式のアンテナで、「フラットアンテナ」や「平面アンテナ」とも呼ばれています。屋根の上に取り付ける八木式アンテナに比べて見た目もコンパクトでデザイン性が高く、建物の外観に影響しにくいと人気です。また、太陽光発電パネルを取り付けるため、屋根にアンテナを取り付けられない場合も、デザインアンテナなら取り付け可能です。
壁面に取り付けるため、電波を受信する角度や電波塔までの距離によっては八木式アンテナの方が受信状況は安定します。デザインアンテナを取り付ける場合は、アンテナ設置業者に希望を伝えた上で、受信環境に問題がないか確かめてもらうとよいでしょう。
ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナは、マスプロ電工株式会社から2017年に発売された、比較的歴史の浅いテレビアンテナです。円柱式のアンテナを屋根に設置するタイプで、ユニコーンの角のように見える見た目から「ユニコーンアンテナ」と呼ばれています。
高所に取り付けられるので、八木式アンテナと同等の受信性能を備えながら、デザインアンテナのようにスタイリッシュなデザインが人気です。住まいの外観にこだわりたい方にも選ばれていますが、他のアンテナと比べると設置費用が高額になるため、見積もりでの比較をおすすめします。
室内アンテナ
室内アンテナは、テレビに接続するだけでデータ放送を受信できる、屋内設置型のアンテナです。1万円以下で購入できるものが多く、工事も不要ですが、屋外設置型のアンテナと比べると受信性能は劣ります。
日常的にテレビを視聴する方は、室内アンテナよりも屋外型のアンテナを検討するとよいでしょう。
【目的別】新築のテレビアンテナの選び方は?
それぞれのアンテナの特徴を知った上で、どのタイプのアンテナを選んだらよいのかを、目的別に紹介します。
受信性能にこだわりたい:八木式アンテナ・ユニコーンアンテナ
安定した受信環境を維持したいなら、屋根に取り付ける八木式アンテナやユニコーンアンテナがおすすめです。どちらも受信性能はほぼ変わらないため、見た目や価格帯を考慮して絞り込んでいくとよいでしょう。
見た目にこだわりたい:デザインアンテナ・ユニコーンアンテナ
見た目にこだわるなら、デザインアンテナやユニコーンアンテナがおすすめです。特に壁面に取り付けるデザインアンテナは住まいの外観によく馴染み、こだわりの外観を損ねにくいでしょう。デザインアンテナの色は、白が一般的。ユニコーンアンテナは円柱部分が白と黒の2色展開で、より選択肢が多いのも魅力です。
価格を抑えたい:八木式アンテナ・室内アンテナ
価格を抑えたいのなら、八木式アンテナや室内アンテナを選びましょう。特に価格を抑えられるのは設置工事の不要な室内アンテナですが、受信環境は他のアンテナに比べて劣りますし、設置するまで実際の受信状況はわかりません。導入する際は、慎重な検討をおすすめします。
新築にテレビアンテナを設置するときの費用相場
新築住宅にテレビアンテナを設置するときの費用は、現場の状況によって変わりますが、おおよそ以下の通りです。
アンテナ種類 | 工事費用の目安 |
八木式アンテナ | 16,500~49,000円 |
デザインアンテナ | 22,000~59,000円 |
ユニコーンアンテナ | 33,000~68,000円 |
一覧にした金額は、あくまでアンテナ工事費用の目安です。新築住宅ではじめてテレビアンテナを取り付けるときは、ケーブルの引き込み作業や壁内の配線工事が必要になりますし、電波が弱いときは、ブースター工事が必要になる場合もあります。
実際にかかる費用については、必ず設置を依頼した専門業者から掲示される見積もりでご確認ください。
新築のテレビアンテナ設置に関するよくある質問
入居後すぐにテレビを見られるようにするためにも、アンテナ設置の検討や申し込みは早めに済ませておきたいところです。新築住宅のテレビアンテナを迷っている方からよく聞かれる、3つの質問にお答えします。
Q.新築のテレビアンテナはいつ設置する?
スムーズに新生活を始めるためにも、できるだけ早くテレビアンテナを設置したいところですが、物件の引き渡し完了後でないとアンテナ工事は依頼できません。また、工事と同じタイミングでテレビへの配線作業も依頼する場合は、引っ越しで荷物を運び終えた後が望ましいです。
どのタイプのアンテナを取り付けるか引き渡し前から検討しておき、引っ越し後にインターネット開通工事などを行うのと同じタイミングで、設置工事を依頼するとよいでしょう。
Q.新築のテレビアンテナ工事はどこに頼む?
新築住宅のテレビアンテナ工事は、注文住宅か建売住宅かで依頼先が変わります。注文住宅の場合は、住宅を建てるハウスメーカーや工務店への依頼が可能です。実際の取り付け工事は下請け業者が行うことになりますが、入居日に合わせてアンテナ設置や配線工事を済ませてくれるので、手続きも少なく快適に新生活を始められます。
建売住宅の場合は、専門のアンテナ工事業者に取り付けを依頼しましょう。工事できるのは物件引き渡し後になりますが、アンテナの設置工事は見積もり当日でも完了できるため、対応もスムーズです。
Q.新築のテレビアンテナは自分で設置できる?
新築のテレビアンテナは、屋根の上や壁などの高所に取り付ける設備です。高所作業は危険を伴いますし、不充分な取り付けはアンテナの不具合や落下を招き大変危険です。自分で取り付けできそうだと感じても、必ず専門の業者に取り付け工事を依頼してください。
新築のテレビアンテナは種類にもこだわって快適に使おう
最近では動画配信サービスの視聴が増え、テレビを見る機会自体が少なくなったという声も聞かれますが、テレビは家族団らんの場に欠かせない家電です。家族で過ごす時間を充実したものにするためにも、デザインも含めて自分たちにあったテレビアンテナを選択し、受信環境を適切に整えましょう。