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冬に増える停電の原因はどこにある?分電盤からの火災リスクの抑え方

冬は寒いから、暖房・加湿器・電気ストーブにこたつまでフル稼働。
イベントも多い季節ですし、家族や友人とホットプレートを囲んで楽しく過ごす…なんて機会も増えれば、電気の使い方は一気に増えます。
実はそれだけじゃなく、冬って停電が増える季節でもあります。
寒い夜にいきなり真っ暗になったら焦りますよね。
停電って、大雪や強風みたいな天候のせいだけじゃなくて、家の中の電気の使い方や設備の不具合でも起こります。
特に気をつけたいのが分電盤からの火災。
分電盤は家じゅうに電気を分ける大事な箱なんですが、古くなると劣化して発火する
目次
停電が起きる主な原因は?
停電の原因はざっくり分けて2つ。「外側」と「内側」です。
外側は自然災害や電力会社の設備トラブル。
台風・地震・大雪で電線や電柱がやられると広い範囲で停電します。
送電線の工事や点検のときも一時的に停電しますが、この場合は電力会社からちゃんと通知があります。
こういう外の原因は自分じゃどうしようもないので、停電したら電力会社のホームページを見て状況を確認するしかありません。
問題は内側、家の中。
ここが冬は特に注意です。
ドライヤーと電子レンジを同時に使ってブレーカーが落ちる…冬はエアコンやヒーターも動いてるので負担が増えます。
そして怖いのは分電盤の劣化。放っておくと最悪は火を吹きます。
こうなる前に、早めに分電盤の点検をしておくのが大切です。
分電盤のトラブルが停電の原因になるって本当?
分電盤は、家の中に電気を安全に届ける、いわば「心臓」のようなもの。ここにトラブルがあると電気がスムーズに届けられず、停電しやすくなります。
分電盤は感電しないようにするため、電気を通さない樹脂製になっています。ブレーカーには家全体をチェックするアンペアブレーカーと、部屋ごとにチェックする安全ブレーカー、そして漏電をチェックする漏電ブレーカーの3つがついています。
アンペアブレーカー | 家全体で電気を使い過ぎていないか確認 |
安全ブレーカー | 部屋ごとの電気の使い過ぎを確認 |
漏電ブレーカー | 電気の漏れをチェック |
電気の使い過ぎや漏電があると、自動的にブレーカーが落ちて電流をストップ!特にホットプレートや電子レンジ、炊飯器などの家電を使うタイミングが重なると、気付かないうちに電気を使い過ぎてしまうことも。そんなときも、ブレーカーがあるお陰で火災や感電を抑えられ、安全に電気が使えるんです。
分電盤に寿命はある?
分電盤も機械なので、当然寿命があります。一般的に、分電盤の寿命は10〜15年。10年以上使っていて最近ブレーカーがよく落ちると感じたら、火事になる前に分電盤を交換しましょう。
冬に分電盤が燃えるトラブルが増えるのはなぜ?
冬は暖房を多く使いますし、空気も乾燥するので、火の元には十分注意しないといけません。古くなって配線の傷んだ分電盤に一気に電気が流れ、さらに空気が乾燥して燃えやすくなっていたら…考えただけで、恐ろしいですよね。

経年劣化で発火寸前の事例
>>施工実績「大分県大分市火災寸前汗分電盤から発火、正野嵜様邸」

絶縁体が劣化し、配線がむき出しの状態
>>施工実績「大分県日出町漏電修理、分電盤工事、火災につながる寸前、白石様邸」
この2つの写真は、どちらも実際に分電盤から火が出てしまった現場の写真です。焼け焦げができていたり、配線がむき出しになっていたり…この状態に気が付かずに電気を使い続けるのが、どれだけ危険か。ぜひみなさんにも知ってほしいと思っています。
こんなときは要注意!分電盤から出火する前兆
特に、次のような異常があるときは、分電盤から出火する前兆かもしれません。
- 焦げ臭い・焼けたにおいがしてくる
- 「ジジジ…」などブレーカーから音がする
- ブレーカーが頻繁に落ちる
焦げ臭いような焼けたにおいがする場合は、分電盤の内部から火が出ているかもしれません。これがとても危険です!すぐに電源を切って、専門業者に連絡してください。
分電盤からの出火を防ぐためにできること
分電盤のトラブルは突然起きるように見えても、実際には異音や外見の劣化など、前兆があることが多いです。出火を防ぐために、次の2つのポイントに気をつけましょう。
定期点検とセルフチェックを行う
古くなった分電盤は部品や配線が劣化し、つなぎ目もゆるんで漏電しやすくなります。停電や出火を防ぐためにも、定期的な点検がオススメ。
電力会社では、4年に1回の定期点検が義務付けられています。点検のお知らせは基本的にハガキで届きますし、点検のときに商品を勧められることもないので安心してください。むしろ、突然の訪問や電話勧誘は詐欺の可能性があるので、絶対に相手にしてはダメです。
また、セルフチェックとして分電盤の様子を気にかけておくのもいいですね。熱くなっていないか、ひび割れや変形、変色がないか。さらにブレーカーがあがらないことがないかなど、日頃から気にしていると意外とわかるものです。
家電の配置・使い方を見直す
次のような家電の使い方は、分電盤への負担が増えてしまうので、やめましょう。
- エアコンとドライヤーを同時に使う
- 冬に、分電盤が老朽化した家でホットプレートを使う
- 複数の家電をタコ足配線で使う
特にホットプレートは相性が悪いみたいで、現場からの経験としても実際に報告されています。ホットプレートは加熱時にエネルギーを多く使うので、分電盤に負担がかかるケースが多いんですね。
>>施工実績「福岡県北九州市分電盤工事。ホットプレート使っていたら停電、木村様邸」
電気をたくさん使う家電は、他の家電とコンセントをわけて、専用回路にしておくと安心です。安全ブレーカーの回路に、どの部屋と家電がつながっているのかを把握しておくのもいいですよ。
停電が起きたときの正しい対処法
停電が起こると慌てるかもしれませんが、落ち着いて次の手順で対処すれば大丈夫。
1.停電している範囲の確認
停電が起こったら、まずは停電しているのが自分の家だけなのか、近所も停電しているのかを見てみましょう。もし自分の家だけでなく、近所も停電していたら原因は「外」にあります。落ち着いて、電力会社のホームページをチェックしてみてください。
2.ブレーカーの状態を確認
自分の家だけ停電していたら、分電盤のブレーカーを確認してください。電気の使い過ぎでアンペアブレーカーが下がっていたら、スイッチを上げてブレーカーを戻せば電気は復活します。
アンペアブレーカーが落ちていないのに停電していたら、漏電している可能性があります。漏電ブレーカーが落ちていないかも同時に確認を。
>>突然の停電!ブレーカーが落ちてないとき・復旧しないときの対処法を解説
3.復旧しない場合は電気工事のプロに相談を
ブレーカーを戻したのに電気がつかないときや、近所で停電していないのに、自宅だけ停電しているとき。あるいは一部の部屋の電気がつかないときは、家の「中」に原因があります。
使っている家電の電源を落として、すぐに電気工事の専門業者に相談を。
電力会社に相談しても、送電やメーターに異常がなければ大抵は地域の電気工事店を紹介されるだけで終わってしまいます。
その後どうするかは結局自分次第なので、焦ってしまいますよね。困ったときにすぐ依頼できるように、事前に依頼先を探しておけると安心です。
停電の原因を知って分電盤の発火リスクを防ごう
寒い冬は暖房を多く使って電気の使用量が増えるからこそ、停電や分電盤のトラブルが起こりやすくなります。特に夜の停電は、暗くて周りがよく見えないので、余計に不安を感じやすいです。
事前に対策をしておけば、突然の停電や火災のリスクを大きく減らせます。
冬を安心して過ごすためにも、積極的に分電盤の点検や家電の使い方を見直してみませんか?