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突然の停電!ブレーカーが落ちてないとき・復旧しないときの対処法を解説

突然の停電に驚いて、そっと確認してみると
「あれ?ブレーカーは落ちてない」
――そんな経験はありませんか?
一般的に停電が起こったときは、電気の使いすぎでブレーカーが作動したことが原因と考えがちですが、実はブレーカーが落ちていないにもかかわらず停電が起こるケースもあります。
そうした場合、どうすれば電気を復旧できるのか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、「ブレーカーが落ちてないのに停電する」代表的な原因とその対処法について詳しく解説します。さらに、電気が復旧しないときに取るべき具体的な対応策についてもご紹介します。
突発的なトラブルに備え、ぜひ参考にしてみてください。
目次
停電したのにブレーカーが落ちてない!4つの原因
停電の原因で最も多いのは、一度に大量の電気を使用したことで安全装置が働き、電気の供給を遮断されることです。いわゆる「ブレーカーが落ちた」状態ですが、以下の4つが原因の場合、この状態でなくとも停電することがあります。
- 漏電している
- 自然災害の影響
- 工事による計画的な停電
- ブレーカーの故障
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
漏電している
漏電とは、何らかの原因で電気回線のショートや接触不良が発生し、本来流れるべきではないところに電気が流れ出してしまうこと。家の中で漏電の発生を感知すると安全のために「漏電ブレーカー」が作動し、停電します。
アンペアブレーカーは「入」のままになっているため、漏電ブレーカーが落ちたことに気付かれないケースもあります。停電時に確認するときは、アンペアブレーカーだけでなく漏電ブレーカーも忘れずにチェックしてください。
自然災害の影響
落雷や地震などの自然災害で、電柱や電線の損傷といった何らかのトラブルが発生すると、ブレーカーが落ちていなくても停電することがあります。この場合、電力会社の復旧作業が完了するまで電気は使えません。
台風や地震の規模によっては、停電以外の二次被害を引き起こす可能性もあり、大変危険です。自然災害の影響で停電が発生した場合は、まずは身の安全を第一に確保しましょう。
工事による計画的な停電の可能性
電柱や電線の整備・交換などを目的に、電力会社が工事を行う際には、作業員の安全を守るために一時的に電気の供給が止まることがあります。これは「計画停電」と呼ばれるもので、事前に地域住民へ通知されるのが一般的です。
ポストへのお知らせの投函や回覧板などを通じて告知されるため、見落とさないよう日頃から案内の有無をチェックしておく習慣をつけておくと安心です。
ブレーカーの故障
ブレーカーが落ちてないのに停電しているときは、ブレーカーそのものの故障も原因として考えられます。
通常、ブレーカーには一定の耐用年数があり、おおよそ10年が目安です。長年使用している場合は、内部の劣化や不具合によって正常に動作せず、電気の供給が遮断されるケースもあります。
停電の原因が不明なときや古い設備を使っているときは、専門の電気業者に点検を依頼して、安全を確認することが重要です。
停電しても電力がすぐ復旧することもあるのはなぜ?
ブレーカーの中には、「スマートメーター」を搭載し、電気の使用量を自動計測するタイプもあります。スマートメーターは、契約アンペア以上の電流を感知すると自動的に電流をシャットダウン。問題がなければ10秒ほどで自動的に復旧するため、ブレーカーを手動で上げる手間を省けます。
スマートメーターを初めて利用するご家庭では、停電後すぐに電気が点いたことに驚くケースもあります。すぐに電力が復旧した場合、多くはスマートメーターの作動が原因ですので、心配しすぎる必要はないでしょう。
ブレーカーが落ちてないのに停電したときの対処法
停電の多くはアンペアブレーカーの作動で発生するため、一見してブレーカーに問題がないと、次にどうすればいいのか戸惑ってしまいます。
- 漏電ブレーカーを確認する
- 停電している場所を確認する
- 近隣一帯で停電しているか確認する
- 電力会社に連絡する
これら4つの対処法について、詳しく見ていきましょう。
漏電ブレーカーを確認する
ブレーカーには、「アンペアブレーカー」・「安全ブレーカー」・「漏電ブレーカー」の3種類があります。それぞれ役割が異なるため、メインのアンペアブレーカーだけでなく、各回路に設置された漏電ブレーカーも忘れずにチェックしましょう。
漏電ブレーカーが原因の場合、漏電箇所を特定し、その部分以外を「入」に戻せば電力は復旧します。なお、漏電への対処が必要ですので、電力が復旧したらできるだけ早く専門業者に修理や点検を依頼しましょう。
漏電ブレーカーを戻すときの手順については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
>>ブレーカーがよく落ちる!その原因は何?ブレーカーの対処法を詳しく解説します
停電している場所を確認する
漏電ブレーカーに問題がないようであれば、家の中でどこが停電しているかを確認しましょう。住まいのほとんどの部屋で電気が点いているのに、一部屋のみ電気が点かない場合は、照明器具の不具合が原因かもしれません。
夜、1人でいるときに停電して暗闇に包まれると、突然の事態にどうしても慌ててしまいます。照明の不具合が原因であれば、他の部屋は電気が点灯するはずです。転倒によるケガといった事故を防ぐためにも、冷静に状況を判断して原因を突き止めましょう。
近隣一帯で停電しているか確認する
ブレーカーに問題がなく、家全体で停電している場合は外を見渡し、近隣一帯が同じように停電しているかどうかを確認します。落雷や地震、台風といった自然災害が発生していないのであれば、近隣の電気工事中のトラブルなど、突発的な事情による地域への電力供給ストップが原因です。
大規模な停電の場合、電力会社のホームページに情報が掲載されます。スマートフォンなどから電力会社のホームページを確認し、トラブルの有無を確認して復旧を待ちましょう。
電力会社に連絡する
原因が特定できず、近隣一帯ではなく自宅のみ停電している場合は、すぐに電力会社に連絡します。停電が夜間に発生した場合は家の中も確認しづらくなるため、電力会社の連絡先を含め、日頃からわかりやすい場所に緊急時の連絡先を掲示しておくとよいでしょう。
ブレーカーが落ちてないのに停電し、復旧もしないときはどうすべき?
停電したのにブレーカーが落ちておらず、復旧もいつになるかわからない――。不安の募る状況ですが、安全を確保し火災などの二次災害を防ぐためにも、停電時は以下の3つの行動を心がけてください。
- すぐに電力会社に連絡する
- 安全のためにブレーカーを落とす
- コンセントからプラグを抜く
それぞれ詳しく見ていきましょう。
すぐに電力会社に連絡する
まずは電力会社に連絡し、状況の確認と電気の復旧作業を依頼します。特別な指示があればそれに従い、安全確保を第一に行動します。急な停電でも慌てないように、すぐに取り出せる場所に防災グッズを用意しておくと安心です。
安全のためにブレーカーを落とす
電力会社に連絡したら、続いて安全のためにブレーカーを落としましょう。ブレーカーを落としておけば、電力復旧時の家電への負荷を抑えられますし、急激な通電による火災も予防できます。復旧作業が完了するまで、ブレーカーは落としたままにしておきましょう。
コンセントからプラグを抜く
停電からの復旧時は、家電に急激に通電されます。特にパソコンなどの精密機械の場合は急激に負荷がかかり、故障やデータの破損につながりやすいです。さらにアイロンなどの発熱する家電を使用中に停電した場合、突然のことに慌てて家電の存在を忘れてしまうこともあります。停電復旧後も放置してしまうと、火災の原因となってしまうため、大変危険です。
故障や二次火災のリスクを抑えるためにも、パソコンなどの精密機器や加熱する家電は、あらかじめプラグを抜いておきましょう。
安全のため、漏電チェックやブレーカー点検を依頼しましょう
ブレーカーは電力の供給状況をチェックし、万が一のときは自動的に作動して電気を遮断する、安全装置としての大切な役目を担っています。すぐに電力が復旧した場合でも、必ず専門業者にブレーカーの点検を依頼しましょう。
ブレーカーが正しく機能していれば、ご家庭で電気トラブルが発生しても危険を回避できる可能性が高まります。日常生活に欠かせない電気だからこそ、適切な点検で住まいと家族の安全を守りましょう。